Vanzandt TLV-R2を買うまで
もうかれこれ2年ぐらい前の話になってしまうけど、ギターを買い換えたときの記録の下書きが2年弱放置されてたので、いまさらアップロードしてみます。
このギターを買うまでにいろいろ弾いたのでそれを記録しようと思ったんですが、半分ぐらいしか覚えていない上に、つまらない話なので、読まなくていいです。
試奏履歴をざっくりまとめてみます。ちなみに、これ以外にも多分いろいろ弾いてますが、よく覚えてません。覚えてないってことはどうでもよかったってことなんだろうなぁ。
- とりあえずテレキャスだしフェンダーなんじゃないかと考える
- Fender Japan TL52-US
- US Vintageというピックアップを搭載した、アッシュボディ+メイプル指板52年製モデル。音はそこそこ。だけどロックをやるにはパワーがないような気がする。クリーンのカッティングは凄く綺麗だったんだけどなぁ。あと、184Rは自分にはちょっと厳しいというか、ハイフレットの1〜2弦が弾きづらかった。
- Fender Japan TL62-US
- 62年製モデルはアルダーボディ+ローズウッド指板。自分はアッシュ材のクリーントーンの音のほうが好きなんだなぁ、ということが分かった。アルダーは軽くていいな、と思ったんだけど。アルダーは全体的に篭った感じがするというか、イマイチ抜けきらない音がする。フレットの印象はTL52-USと一緒なんだけど、ローズウッドのほうがどことなく押さえやすい気がする。気がするだけなんだろうか。
- Fender Japan TL68-75BC
- Fender Japan TL52-US
- じゃあ海外製ってどうなんだと考える
- Fender Mexico Road Worn 50's
- メキシコ製でアッシュ材ってなかなかないんだそうで、店頭にあったメキシコ製アッシュ材のギターを弾かせてもらう。やっぱりRがきつい。これに慣れた方がいいんだろうか、と思いつつ、このRoad Wornシリーズはレリック加工ゆえのつや消し仕上げだったので、ちょっと弾きづらさを感じた。音はすごくよかった。繊細さと大雑把さのハイブリッドだぜアミーゴ的な感じ。仕上げもそこまで荒そうな感じはしなかった。見る人から見れば荒いのだろうか。
- Fender USA American Standard Telecaster Ash
- 「アメスタ」の呼び名で知られる、フェンダーのデファクトスタンダード。指板がフラットでアッシュ材のギターを探したら、まずここに行き着いた。やっぱりお前かUSA。さすがに本国で売り上げトップを争うギター、仕上げも丁寧だし触り心地も最高。カラーもナチュラルでルックス的にもかっこいい! 音は……うん、いい。上品だし綺麗。リアもコシが太くて、それでいて跳ねる感じ。ただ、おとなしすぎてつまらない、という感じも受ける。この値段を出してまで買う音なのかどうか、というところで個人的な疑問を持った。Japanに10万上乗せしないといけないわけだし。予算を上げる必要があることを確認する一本となった。
- Fender USA American Deluxe Telecaster
- 使っているE-TE-92M/LTにはターボスイッチ(フロント・リアピックアップの回路をシリーズ接続して擬似的にハムバッカー風のサウンドを生み出すスイッチ)が付いていたので、同様の機構を持っている「アメデラ」を弾いてみる。値段もあまり変わらないし。ただ、アメデラのアッシュボディの取り扱いがないため、今回はアルダー。……うーん、さっきのアメスタのほうが音が好みだ。こっちのほうがアンサンブルで抜けてくる感じはするし、S-1スイッチもすごく使いやすいんだけど、アルダーの音がこもって聞こえる病にかかっている俺は微妙に違和感を覚えた。高嶺の花の君とは付き合えない、みたいな。何様だったんだ、あのときの俺。
- Fender Mexico Road Worn 50's
- フェンダーにこだわるべきじゃないんじゃないかと思い始める
- Fgn NCTL-10(ASH)
- HISTORY 型番不明
- これも中古屋にて。4万ぐらいだけど定価は10万超えてるっぽい、よーし弾いてみよう……ん?リアの音が分厚い? で、良く見たらリアがシングルサイズのハムバッカーだった。ちょっとネックが厚めだったのも気にかかる。悪いギターじゃないんだけど、見送った。後で思い出したけど、このギターは俺がベースをやっていた3ピースバンドのギターボーカルが(俺の目の前で)買ったあのギターじゃないのか? おお、こんなところで逢うなんて……と運命を感じた。けど買わなかった。
- もしかしてテレキャスじゃなくてもいいんじゃないかと思い始める
- 予算を上げなきゃいけないのか?と思い始める
- N-TE-380/ASM
- 今回弾いた中では一番高いギターとなったNavigator。いい……すごく、いい……。トータルバランスと言うか、「軽くて鳴る」感じ。ただ、こんな高いギター(30万超)をぶんぶん振り回して弾く勇気は俺にはないです……。
- Vanzandt TLV-R1
- アメスタと並べて弾き比べてみた。太い!音が太いよママン! Rは若干きつい(210R)だけど、それを感じさせない握りやすさ。ネックが若干薄くできてるのかな? リアの音はすごく好き。ペラペラさが全くない。そして軽い。Navigatorのほうが弾きやすさは若干上だと思ったけど、10万近く価格が違うから比べちゃいけないんじゃないか、とも思う。それでも、アメスタ・アメデラよりは高いのです……。
- HISTORY SH-TV/M
- N-TE-380/ASM
- もうなんだかいろいろ弾いてみればいいじゃない、という境地に達する
- SHECTER PA-LS/TK
- 凛として時雨・TKさんのシグネイチャー・モデルの廉価版。ぶっとい、ごつい音がでます。ただ、繊細なトーンはどちらかというと苦手。PUにパワーがありすぎるのかも。フロントの音は耳なじみがいいな、と思ったら、PUがダンカン製……つまり、今のギターと一緒だった。指板はフラットで弾きやすかっただけに、残念。TKさんみたいにガンガン歪ませて使う用途限定だったら、かなりコストパフォーマンスはいいと思う。おすすめ。
- Fender Custom Shop N.O.S. 51'Telecaster
- 中古屋で発見、弾いてみる。音が……USAはなんだったんだ、っていうぐらい音が違う……。ちなみにN.O.S.はニュー・オールド・ストックの略で、「作られた楽器が弾かれないままケースにしまってある状態で発見されたものを再現したもの」というカスタムショップのバリエーション。……なので、仕様は当然ヴィンテージで、極太ネックにキツい指板Rという二重苦が俺を苦しめました。しかし中古でも新品USAを凌駕するこの値段、いったい新品だといくらしたんだろう……想像するだけで怖くなってくる。
- ATELIER Z L.E.S.
- SHECTER PA-LS/TK
- 運命の出会いがやってくる
- Vanzandt TLV-R2
- で、いろいろと路頭に迷っていたら、某楽器店でTLV-R2のアウトレット品を発見。「なんだよアルダーかよ」と思ったけど、傷有り&型番が古いための半分在庫処分のような形で(下手すると中古より)かなり安く売っていたので、ダメ元で弾いてみる。で、驚く。アルダーのテレキャスの音じゃない。あの、どのギターを弾いてもあった、こもった感じがない。そして、太い。センターが太い。リアが太い。フロントは綺麗。太いこもった音じゃなくて、太くて澄んだ音。これだけ弾いて、こういう音を出したのはこのギターが初めてじゃないだろうか。で、後悔。なんで今までアルダーを弾いてこなかったんだ。思えばATELIER Zもアルダーでいい音を出してたじゃないか。
- Vanzandt TLV-R2
- アルダーを一通り弾いてみる
で、それまでで良かったと思ったHISTORY、Fender USA、Navigatorをもう一度弾いてみて、またVanzandtに戻って、「あ、これでいいや」と思ったので、値下げ交渉の上、購入。
長かった・・・。
で、2年弱ほど使っていますが、かなり気に入っています。ライブでも全く重さを気にせず使えるし、このギターがあったからこそオリジナル曲にアルペジオを取り入れたり、アレンジを変えたりできるのが強み。音が太すぎてプリアンプや歪みのトーンやイコライザの設定が若干変になっている気もするけど、エフェクターの乗り自体は悪くない。向こう何年も付き合っていけたらなぁ、と思っています。