TOKAI ATE?

楽器屋に行ったら、値札すら付いていないTokaiのテレキャスター3本とレスポール(スタンダード)3本が目に付いた。「今日入ってきたばっかりなんですよー」ということで、恐れ多くも試奏させてもらった。興奮しすぎて型番調べてくるの忘れたんだけど、おそらく現行モデル。レスポールモデルはLS98(Cherry Sunburst)とHLS160だったので真新しさはないけど、新品のTokaiのテレキャスターなんて現物に触ったことがなかった(田舎ェ……!)ので弾いてみた。


【誰でも知っている余談】
Tokai=東海楽器製造株式会社はフェンダー社・ギブソン社ギターのコピーモデルを販売しているが、ただコピーしているだけの会社ではなく、それぞれの会社と浅からぬ関わりがある。

  • Gibson社との関係
    • LSシリーズ(シリーズ愛称は"Love Rock model")の高級機種の出来が良すぎて、Gibson本社からクレームが届いたことがある。そのため、アメリカ本国やドイツ等一部の地域では、Tokaiの楽器が扱われていない。
  • Fender社との関係
    • 富士弦楽器の後を受けて、90年代後半からFender Japanの製品を製作している(シリアル番号側に書いてある「Made in Japan」はフジゲン製、「Crafted in Japan」はTokai製)。

オリジナルの製品も作っているが、やはり現在も有名なのはレスポール。本社からクレームがつくなんて相当な代物である。クレームが付いたのは上位機種のHLSシリーズで、Gibson USAのレギュラーラインに匹敵する出来だと本社が判断したためなんだとか。


【感想】
そんな会社が作ったテレキャスター「タイプ」のギター。その場においてあったラインナップは下記の通り。

  • LPB(レイクプラッシッドブルー)+ローズ指板+アルダーボディ
  • BM(バーガンディミスト)+ローズ指板+アルダーボディ
  • NAT(ナチュラル)+メイプル指板+アッシュボディ

とりあえず、テレキャスターなら無骨なアッシュ+メイプルだろ!と思って一番下のカラーを選択。

  • ネック周り
    • グロスフィニッシュだと思う。22フレット仕様&幅広フレット、という現代的なタイプ。イメージとしてはアメデラに近いか。
    • ストリングガイドは1箇所。ごく普通の感じ。
  • ボディ周り
    • ボディはグr……ラッカーフィニッシュって書いてある。グロスっぽい感じに見えたけど、そう謳っているならラッカーなんだろう。
    • ピックガードは3プライの黒ピックガード。王道。
    • ブリッジは……なんだろう。とりあえずブラスではない。ステンレス?
  • コントロール
    • 普通のテレキャス。1Vol、1Toneの3Wayスイッチ。ジャックも普通。

木材の質感の違うアメスタというか、現代的仕様になったフェンジャパというか、そんな感じ。
弾いてみた感想。

  • とにかく弾きやすい! 弦高が自分に合っていたということもあるだろうけど、触り心地はとてもいい。フレットも幅広のため押さえやすいし、チューニングも安定している。
  • 重くもなく軽くもなく。Vanzandtみたいな感動もなければ、Edwardsみたいな「ごつい!重い!」みたいな感じもない。
  • 音は、あまりパワーがなくて繊細な音。歯切れはいいけど、音量を大きくするとノイジーになった。

ピックアップを交換すれば、USAに匹敵するギターになるのでは?と思った。仕上げは丁寧だし、弾きやすいし……。Fender Japan、Fender Mexicoといった本家のほかにもFgn(フジゲン)、G&L、Edwards(ESP下位ブランド)、Coolz(島村楽器独自ブランド)等各種メーカーが競合している価格帯なので、作りのいいギターが増えたのは嬉しい。以下、簡単に各メーカーの印象等を。

  • Fgn:この価格帯だと一番手。下手をするとFender USAより鳴る。でもできればネオクラ20を買いたい。ヴィンテージ好き向け。
  • Coolz:CFSの採用等はFgnと変わらない。買える場所が多い。平凡。ジャンル選ばず。
  • Edwards:ピックアップがダンカン。他の木材・パーツも良質。
  • G&L:弾いたことないんでなんとも……。
  • Fender Japan:様式美。ヴィンテージ志向。
  • Fender Mexico:テキーラ。音はいいぜアミーゴ!

どれを選ぶかは弾いてみてから、というしかないが、現代的なロックをやるのであればG&LやEdwardsが使いやすいのでは、と思う。