各パーツにこだわった「安ギター」っていうと、この前買ったElioth S305の他に、石橋楽器の出しているオリジナルブランド・Mavisの最上位機種・800シリーズ*1があるけど、この二つぐらいしか思い浮かばない*2んで、(価格差は考えずに)それぞれの仕様を比べてみようかな、と思い立った。価格は倍以上開きがあるので、比べるのもどうかと思う*3けど、比べてみたくなったので比べる。ただそれだけ。意味はない。
Mavisも値下げしてるし弾いてみたいけど、在庫もないし、これ以上ギター増えてもなぁ……。
何はともあれ比較だ比較。
- ネック材・仕上げ
- Elioth S305:北米産ハードメイプル/ロゴ部のみグロス、他サテン
- Mavis MST-800:メイプル/グロスフィニッシュ
- 北米産を謳っているEliothだけど、押しはそこまで。初心者の弾きやすさからすればMavisグロスフィニッシュは有難い(はず)。サテンかグロスかは好みの問題なので、どちらがいいとは言い切れないけど、この価格帯でグロスフィニッシュも珍しいのでMavis優勢か。強度についてはなんとも言えない。
- ナット
- 指板、フレット
- Elioth S305:メイプル(貼り合わせ)サテン仕上げorローズウッド(染め)
- Mavis MST-800:インディアンローズウッド、ステンレスフレット
- Mavisは「変なローズウッドじゃありませんよ!」と主張。ステンレスフレットは減りが少なく音の立ち上がりが良くなるフレットだが、弦の消耗が激しくなるというデメリットもある。ただ、このクラスのギターが採用していることは極めて稀。
- ヘッド・ペグ
- Elioth S305:Die Cast製ペグ、ローラーストリングガイド×2
- Mavis MST-800:GOTOH マグナムロック
- Fender USAのAmerican Deluxeシリーズでも採用されているマグナムロック搭載のMavis。Eliothのダイキャスト製って、別に普通なんじゃ……? ただ、ストリングガイドがローラー式なのは結構いいのでは。好き嫌いはあるだろうけど。
- ボディ
- Elioth S305:バスウッド
- Mavis MST-800:バスウッド/グロスフィニッシュ
- どちらもバスウッド。別に塗装が薄いとか優れているとかはよくわからないけど、バスウッドと書かれているだけでは比べようがない。塗装を剥いで継ぎ目を見てみたい等の暇人が現れたりしないかしら。ちなみに、安ギターでバスウッドを採用しているのはJUNOのほぼ全て、Legendの一部商品(コピーモデル等)など。
- ブリッジ
- Elioth S305:Wilkinson製ブリッジ
- Mavis MST-800:6点止めBridge
- 安ギター換装パーツとしても有名なWilkinson製のブリッジを採用しているElioth。珍しいと言えば珍しい。Mavisの「6点止めブリッジ」って、止める場所が多いだけの普通のブリッジってことなんだろうか。
- ピックアップ
- Elioth S305:SNYDER-MAX Single Coil / Humbacker(コイルタップ付)
- Mavis MST-800:アルニコNo.5
- どちらも安ギターによくあるフェライト磁石ではなくアルニコ磁石を採用。Mavisを弾いたことがないので、なんとも言えない。EliothはコイルタップのできるハムPU搭載なので、用途が広い。この価格でネームドピックアップも珍しいが、SNYDER(スナイダー)なんて会社は正直聞いたことがなかった。
- 電装系
- Elioth S305:表記なし
- Mavis MST-800:ポット=CTS、スイッチクラフト社製ジャック、コンデンサ=オレンジドロップ、
- キャビティ内へのこだわりを前面に押し出すMavisと、まったく触れていないElioth。開けろってことか……!
- ギグバッグ
- Elioth S305:Eliothロゴ入りGig Bag(アレな色)
- Mavis MST-800:MavisオリジナルGig Bag(黒)
- Mavisのほうが保護性が高い様子。Eliothも色さえああでなければ及第点。
- 値段
- Elioth S305:¥10,900
- Mavis MST-800:¥24,800
【とりあえずまとめ】
結論:最初からわかっちゃいたけど、値段の違うギターを比べるもんじゃない。「じゃあゴミ記事書くなよクズ」というツッコミはご勘弁を。
ただ、Mavisがところどころ手を抜いている(というより、他の廉価ギターと共通したパーツを使っている)箇所の一部について、Eliothが新興勢力ならではの着眼点で装備をそろえている、という点は見ていて面白い。具体的には、ストリングスガイドやブリッジ、コイルタップ機能等。
そもそもMavisは、(おそらく)安ギター改造好きが施すであろうペグ交換や電装系交換を最初からやってしまっている、という、手間のかからない商品である。一方で、ブリッジやPU交換の手間を省こうとしたのがElioth。問題意識の違いというか、着眼点がきっぱり分かれている。
安いギターもいろいろ出てきたので、没個性なものよりはこういった工夫の見られる商品を選ぶと面白いのかな、と思った。