Fender Mexico Deluxe Active Jazz Bassレポート
無事届きました、「アメデラの余りパーツで作ってみたよ、アミーゴ!」感満載な、フェンダーメキシコのデラックス・アクティブ・ジャズ・ベース。まだ手に馴染んでないんだが、8/15のライブまでになんとかなるだろうか。
Fender MEX Deluxe Active Jazz Bass Upgrade (BSB)
- 出版社/メーカー: Fender USA
- メディア:
- クリック: 340回
- この商品を含むブログを見る
それはそれとして、感想を書いてみる。既にバンドメンバーが使っているので、今更な気がするけど。
ネック周り
総じて仕上げは丁寧。ロングスケールだけど20フレットしかありませんので、テクニカルな方はご注意を。
指板はJapanのそれより若干硬めで、Rはかなり緩め。ミディアムジャンボフレットを採用しているため、押さえやすい印象はある。ヴィンテージをコピーしているJapan各種に慣れていると、若干戸惑うと思う。何にせよ、Rもあんまりないし慣れればかえって弾きやすいのでは。
総じて文句はないものの、ナットの仕上げが雑(詳しくは後述)。弦を緩く張ったり、ダウンチューニングにすると、弦落ちする可能性があるんじゃないだろうか。後輩の買ったベースもそうだったので、製造ラインに問題があるんだろうか。ナットは交換したほうがいいかもしれない。
そのほかは流石に(メヒコでも)フェンダー、どのパーツもとても使い勝手がいい。ペグのトルクやブリッジの具合、フレットの具合や弦高は、非常に使いやすく調整されている。
4弦のビビリがあるんだけど、アンプからの出音には影響がないので、今のところ放置してます。多分これ、ブリッジ側の弦高調整じゃなくてネック側――つまり、ナットの高さの問題。溝が浅いんじゃなくて、そもそもナットの高さが足りないんだと思う。
他の弦に問題がないのを考えると、もしかして、Rのある指板用のナットを流用してるのか? もともとそういう仕様なのか? この辺を笑って許せるかどうかが、Mexicoを使えるかどうか、なんだろうな。神経質な人はメヒコやめて素直にアメデラ買いましょう。
ボディ周り
今回はVintage Whiteという色を注文したんだけど、JapanのMG69っぽい色をイメージしてたら更に黄色がかっていた。っていうか黄色(笑)。これはこれでいい色だな、と思う。写真に撮ると白っぽく写るんだけど、「これって白?黄色?」と聞かれたら「黄色」って言われるだろう。そんな色。あれです、シュークリームのカスタードをちょっと白い絵の具で薄めたような色。
材はアルダーらしい。他にアルダー材のベースを3本持っているけど、特別重いとか軽いとか感じるわけではない。割と厚みのあるポリ塗装。剥がさないと木目は見えない。
生鳴りはあまりしない。アクティブだから別にいいけど、夜中にアンプラグドで練習してるとちょっと淋しい。同じ材質・同じ仕上げのJapanのほうが鳴るのは、塗装が薄いからだろうか。
コントロール
コントロールはVol、ピックアップバランサー、3バンドEQ(Low、Middle、Treble)。パッシブ切替スイッチ等はなし。EQの周波数帯・変化db量は明記があり、+18db〜-6dbとのこと(9/6追記、ちゃんと書いてありましたごめんなさい)。操作に迷うところはなさそう。効きは可もなく不可もなく、といったところで、好みの音を直感的に作れるわけでもなく、かといって作れないわけではなく……。好みの音を作るのには慣れが必要。アクティブベース全般に言えることなので、これに限った話ではないけど。Lowは他のアクティブベースより若干効きがいい気がする。ジャズベだから、もともと出ない音域だろうし。LowとHighを上げてMidを切ると結構ドンシャリ感が出てプレベっぽくなる気がする。気がするだけ。
EDWARDS
E-AM-120M
同価格帯(実売はちょっと上)のEDWARDS E-AM-120が2バンドEQなのを考えると、このコストパフォーマンスは秀逸なんじゃないかな、とは思う。
ピックアップ
Noiseless PickupというPUを2基搭載。上位機種のAmerican Deluxe Jazz Bassには「サマリウムコバルトノイズレスPU」というのが付いているそうで、これの下位パーツ、ということになるんだろうか。
先述の通りパッシブ切替スイッチがないので、生音はまだ聞いていない。イコライザをすべてフラットにして出音を聴いてみると、ジャズベ特有の中・高音域に艶があって丸い、「癖のない」音が出る。手持ちのFender Japan(US-Pickup)と比較してみると、音色は太め。コシがある、というんだろうか。バンドサウンドでは埋もれにくい、よく出来た音。ただ、USAみたいな「音自体の上品さや存在感」はなく、没個性といわれても仕方がないところ。*2
ノイズレスと名乗るだけあって、Lowを全開で音を出してもノイズはほぼ気にならない。音色は流石にブーミーになるけど、ジャズベにとっては得意でない音域を持ち上げているわけで、仕方ないところ。ゴリゴリした音を出すには、バランサーを完全にネックに振ってLowを少しずつ持ち上げて調整する。プレベ「っぽい」音も作れなくはない。流石にプレベの音は出ないけど、近い音は出せる。
総じて、プリアンプと相性のいいピックアップだと思う。アクティブだけに、各種エフェクタとの相性も◎。
なんとかして生音を聴いてやりたい。そのうちA/P切替スイッチでも作ってみようかな。
どうでもいいけど、フェンダー系の中ではスラップと非常に相性がいいんじゃないだろうか。スラップの出音がパッシブに比べてとてもよく、余計なノイズものらない。パッシブでスラップしてなんぼだと思うけど、俺みたいにスラップ下手なベース弾きには非常に有難い。
まとめ
コストパフォーマンス抜群のベース、だと思う。俺みたいな初心者にはピッタリです。
むしろ、初心者にこそ薦めたいベース。中級者以降が持つと、個性がなくてつまらない個体だと感じるかも。このベースに飽きる頃にはベーシストとしての個性も固まってくるだろうから、次のベース選びは楽しいんじゃないだろうか。少なくとも自分の腕では、これ以上のベースを持っても豚に真珠だと思う。練習しないとな……。
ちなみに、初心者がネット通販で買った場合は、かならず近くのリペアショップに持ち込んで点検してもらうのが望ましい。正直、個体差もあると思うが、あまり仕上げはよくないことが予想される。
安いアクティブベースってそんなにないけど、同価格帯のアクティブには先に述べたEDWARDSのほかに、少し下のラインにIbanez、SHECTER、B.C.Rich、CLIVEあたりがあったと思う。この4社は4〜7万で買えるけど、単純なピックアップの性能とパーツの出来を考えると、少し予算を伸ばしてこっちを買っておいたほうがいいと思う*3。ルックスが好きならSHECTERのアクティブも悪くないとは思うけど。
ナット以外のパーツの出来が良いので、PU乗せ替えやコントロール部の改造で化ける可能性はある、、、かも。