アリアンロッドスキルガイド変更点考察その3:サポート編(1)

間が空きました。連休を利用して、なんとか「ARAスキルガイド」(以下「SG」と略)と向き合い、基本10サポートクラスの変更点洗い出しは完了。同じ量だけ上級職があるし、上級サポートや地域クラスを含めると半分も終わってない。これを考えると絶望的な気分になるので、とりあえず放置。
基本10サポートクラスの並びが変わっているけど、単純にあいうえお順に並び替えただけの様子。旧並び順で整理していたので「変な並びだなぁ」と思っていたけど、とりあえずそれは解決。個人的な好みで、旧並びでの整理を続行することにした。
今回は、ウォーリア・シーフとの組み合わせが多い、武器攻撃系サポートクラス5種(サムライ・モンク・レンジャー・ガンスリンガー・ダンサー)について感想……というか、変更点の洗い出しと考察を加える。まさか、あのサポートクラスが強化されるとは思っていなかった。

サムライ

  • 変更
    • 《トルネードブラスト》:シナリオCL回→シーンCL回と増加。また、FAQ(死亡・戦闘不能の選択権有)を記載
    • 《アーマーブレイク》:タイミングがマイナーに。防御力低下幅がSL→SL×2HPダメージの有無を問わない
    • 《アウトストリップ》:タイミングがマイナーに変更
    • 《クリアマインド》:メインプロセス中のコストをすべて0にするスキルに変更。シナリオにSL+1回までと微増
    • 《コンバットセンス》:効果が行動値+10に変更
    • ソニックブーム》:上限SLが3に。射程がSL×10mに、同一エンゲージも対象にとれるようになった
    • 《ディフレクション》:射程が視界に変更
    • 《トゥルーアイ》:パッシヴスキルになり、コスト0に。リアクション全般に適用
    • 《ナーヴブレイク》:ペナルティがシーン持続に(マイナーで解除可能)
    • 《レイジ》:MP10、上限SL3と大幅に弱体化
    • 《ファーストストライク》:前提が《コンバットセンス》に。刀限定でなくなった
    • 《レイディアントエッジ》:前提が《スピリット・オブ・サムライ》になり、前提スキルで得た武器にのみ適用されるようになった*1
    • インサイトブレイド》:修正値+2→+3
    • 《ショットバック》:武器の射程に依存しないようになった
    • 《トゥルーブレイク》:前提スキルと同時に使用する形に変更。また、ダメージを与えない旨が削除
  • 追加
    • 《ハイパーブラスト》:《トルネードブラスト》強化スキル。使用回数を余計に2回(計3回分)使用することで、モブ以外にも効果が適用されるようになる
    • ソニックバースト》:2マナ4点ソニックブーム》と同時に使用することで「対象:範囲(選択)」に変更する

バッドステータス付与系が使いやすく(というよりも、《バッシュ》と組み合わせやすく)なった*2ほか、微妙に使いどころに困るスキルがちょこちょこ強化された印象。特に《クリアマインド》は大幅強化で、《ファストセット》から絡めて《ダブルキャスト》系に持っていくニンジャ・ソーサラー等が使えるスキルになった。その中で、《コンバットセンス》の弱さは折り紙つき。《カリキュレイト》の完全下位どころか、比べるのが可哀想なレベルに。*3
新スキルの《ハイパーブラスト》は「デフォでこういう効果をつけてやれよ」といわんばかりのレベルだけど、高レベル帯での雑魚狩りにはもってこい。GMは支援系エネミーを一発で落とされないように注意。《ソニックバースト》は《レイジ》との合わせ技にも使えうる優秀なスキル。
全般的にスキルが使いやすくなっているけれども、結局《トゥーハンドアタック》《レイジ》ありきなところは変わっていない。《クリアマインド》がどれだけ使われるかに注目したい。

モンク

  • 変更
    • エナジーフロウ》:武器攻撃のダメージを直接増強する形に変更。1回のメインプロセスに1度までになったが、メインプロセス終了まで持続
    • ストロングスタイル》:タイミング:セットアップに変更。修正幅SL×2D6→SLD6
    • 《セルフヒーリング》:コスト3に変更
    • 《ソウルバスター》:致死ダメージに対しては、即リカバリできる状況(「生命の呪譜」装備等)でないと使用不可に。使用タイミングも微妙に変更、ダメージが確定してからの使用に
    • 《ハードマッスル》:パッシヴスキルに変更。《メタルマッスル》もパッシヴに
    • ペネトレイトブロウ》:魔法防御力も0とみなすように。強化と言えるが、《○○ウェポン》とのダメージ減少トリックが使用不可に
    • 《マインドクラッシュ》:1ラウンド1回限定となった
    • 《レジスト・○○》:新スキル《レジストエレメンタル》に統合
  • 追加
    • 《アディショナルブロウ》:バッドステータスを受けている相手に与えるダメージを+SLD6するパッシヴスキル
    • 《コンバットスロー》:まんまSW2.0の投げ攻撃命中時、相手に転倒を与えるメジャー攻撃スキル
    • 《カウンタースロー》:上記スキルSL5で取得可能。白兵攻撃へのリアクションで命中判定、成功すれば回避&相手に転倒という泣きっ面に蜂なスキル。
    • 《ソウルフィスト》:格闘版《ソニックブーム》(白兵攻撃ではない)。無属性の魔法ダメージとなる
    • 《メイスファイティング》:《コンフロントマスタリー》前提の新スキル。格闘限定スキルのコストを+2することで、「種別:打撃」の武器でも当該スキルを使用可能にする
    • 《レジストエレメンタル》:プリプレイ時に属性を選ぶようになり、「今回予告」を聞いてから対応可に。また、《レジストコンプリート》はコストを払った都度、その選んだ属性以外のダメージに当該スキルを適用できるスキルに変更

《レジスト・○○》統合のおかげか、新スキルが他より多い結果に。パーティの組み方*4によっては《アディショナルブロウ》はほぼ《トゥーハンドアタック》互換だが、バッステ無効のエネミーに死にスキルになるのが確定的に明らか。なかなか取りにいけないだろうが、GMがPCにプレッシャーをかけるスキル*5としては優秀。
投げ攻撃が実装されて、これ自体は強くないのに《カウンタースロー》が優秀すぎる。白兵限定だがおまけつきの《ディフェンスライン》。相手がバッステ無効でも攻撃は命中しないため、無駄にならない。合計8Lv程度の枠は割いていいかもしれない。
《メイスファイティング》が未知数。打撃といえば《ハンマーフォージ》だが、格闘には《トリプルブロウ》だってあるわけだし……。パラディン強化スキルとなりうるのか、今後の研究に期待。

レンジャー

  • 変更
    • 《イーグルアイ》:タイミング:マイナーに。白兵限定でなく、「武器攻撃」に修正。ダメージロールに-1D6のペナルティ。《バーサーク》同様、シーン持続かつマイナーで解除可能。かなりの弱体化、なのだが……?
    • 《クイックアクション》:使用が1シーンSL回限定に。SL5まで取得可能
    • シックスセンス》:効果がギルドメンバーにも及ぶ
    • 《シュアショット》:コスト4に。命中がどのレベルでも+1個、ダメージに+SLというスキルに変更。
    • 《スピードショット》:修正が±0に。SL1限定となった
    • 《スレイヤー》:修正値が+[SL×4]に
    • 《ダイレクトヒット》:かばう、《カバーリング》のみが不可に(《フェイス・ダナン》等は可能、と読めるが……)。1シナリオにSL、と回数減少
    • 《ファーストエイド》:1シーンに1回制限がついた。回復量が[(SL+1)D6+【器用】]と微増
    • ブービートラップ》:手持ちの「アイテム:罠」を使うスキルに変更。射程は変わらず
    • ホークアイ》:コスト5に増。その代わり、命中+2がつくように
    • 《モンスターロア》:エネミー識別成功の対象にダメージ+SLD6、というスキルに変更
    • 《トリックショット》:リアクション判定のダイス-2個のペナルティが相手につくよう強化
  • 追加
    • 《トレーダー》:エネミーからドロップ品を「買う」スキル
    • 《アデプト》:セットアップに《スレイヤー:○○》の○○を書き換える(シーン持続)。1シナリオSL回まで

最大の争点は、《イーグルアイ》の大幅変更。いままでウォーロード《ディフェンスライン》専用(笑)とされていたスキルが、まさかのマイナー化。レンジャーっぽくないから当然といえば当然か。ただ、射撃武器にも適用されるようになった*6ため、命中の底上げスキルとしては未だに優秀、と言って過言ではない。SL1の《クイックアクション》から《バーサーク》《イーグルアイ》、という光景が良く見られるようになるんだろうか。
固定値となった《スレイヤー》強化スキルの《アデプト》は、エネミーの分類が分かればかなり優秀。エネミー識別に成功すればほぼ間違いなくダメージの底上げとなる。識別値の高いボス戦で役にたたない可能性も十二分にあるあたり、どう捉えるだろうか。
今回の改訂では珍しく、全体的にやや弱体化したクラス。しかし、レンジャーに相対するあのクラスは、というと……

ガンスリンガー

  • 変更
    • インターセプト》:キャリバー以外でも使用可能
    • 《エクシードショット》:修正値が+【CL×5】に変更、SL1制限に
    • 《カウンターショット》:コスト8に減少、魔導銃以外でも使用可能
    • 《カリキュレイト》:コスト6に減少。「イニシアチブプロセスにメインプロセスを行なう」と明記
    • 《クイックドロウ》:コスト2に減少。銃装備中も使用可能と明記
    • 《スペルブレッド》:魔術の命中判定を魔導銃の命中判定で代替する別スキルに変更。コスト3
    • 《ファニング》:コスト4に減少、命中ペナルティ削除、SL1限定
    • 《フェイドアウェイ》:コスト4に増加も、直後の命中判定に+1D6のボーナスがつくように
    • 《ラストリゾート》:パッシヴ化
    • 《スナイピング》:前提が《カリキュレイト》に。1ターンでスナイピングできるようになった
    • ディフュージョンショット》:前提が《ファニング》に
    • 《カスタムガン》:上限SLが3に。命中修正か攻撃力にSL×2点を割り振れるようになり、プリプレイ毎に変更可能
    • 《クイックスナイプ》:「タイミング:判定の直前」*7になり、単純にダメージに+3D6するスキルとなった。コスト10
  • 追加
    • 《サイティングデバイス》:パッシヴ。魔導銃の命中+2、行動修正-1
    • 《ロングバレル》:パッシヴ。魔導銃の命中+1、攻撃力+2、行動修正-2

大幅強化を果たしました。Conglaturation……!Conglaturation……!
他の職業からこれだけを目当てに経由されていた《カリキュレイト》《フェイドアウェイ》がどちらも強化。「1Lvだけ経由します」*8に拍車をかけることが予想される。
ガンスリンガー用スキルとしては、新スキルや《カスタムガン》の変更で細かいカスタマイズが可能に。新スキルは行動値が下がるのでお好みで、という程度。また、《エクシードショット》がたった1枠で《ボルテクスアタック》を超えうる素点をたたき出す*9恐ろしいスキルに変化、《テンポラリリペア》からの2連発が怖いスキルになった。《ラストリゾート》のパッシヴ化も考えると、ウォーロードにそのまま持ち込める攻撃力を誇るクラスになった。
低レベル帯最強伝説はまだまだ続きそうだ。


ダンサー

  • 変更
    • ダンシングヒーロー》:使用時コスト2
    • 《アヴォイドダンス》:封鎖時離脱不可を明記
    • 《アプリケーション》:回復量がSL×10点に
    • 《ダークステップ》:効果がシーン持続
    • 《ダンスマカブル》:攻撃がクリティカルするまでorシーン終了まで持続
    • 《トリックステップ》:減少値がSL×3に増加
    • 《パフォーマンス》:【敏捷】×100Gを得られるように
    • 《フェザータップ》:使用直後に移動を行なえるよう強化
    • 《マタドール》:「タイミング:判定の直前」に変更、使いやすくなった
    • 《ミステリアスダンス》:1シーン1回制限
    • 《タッチアンドゴー》:エンゲージからの離脱が不可に
  • 追加
    • 《サマーソルト》:セットアップに《フェザータップ》を使用可能に
    • 《バックアップダンス》:対象の呪歌判定のダイスを+2個、1ラウンド1回まで

なんと地味な変更。自動フェイト増加スキル《ダンシングヒーロー》には使用時にコストが課されたが、2は少なすぎるような……。これが地味に効いてくるようなことはあまりなさそうな気がする。回避特化キャラ必須のスキルなので、こういうキャラを作ると困ることもあるのかも。でも、たった2なんだ……。
新スキル《バックアップダンス》はバードの判定を強化するスキル。自身の判定には使えないので、他のパーティメンバー専用スキルとなる。当然逆のスキル(バード→ダンサーの《アカンパニー》)もあり、そっちはかなり強力*10なので、その点では強化されている。ただ、ダンサー単体としては、あくまでマイナーチェンジにとどまった。もともと基本形がしっかりできているクラスなので、あまり変えるところもなかったんだろうか。



というわけで、今回はサポートのうち5種を見てきた。
目立ったのはガンスリンガーの徹底的な強化と、レンジャーのマイナーチェンジだろうか。特にガンスリンガーは低レベル帯サポート最強の名を欲しいままにしてきたクラスなのに、強化されている。そんなに拳銃使いを増やしたいんだろうか。
射撃系はいろいろ変わっているので、とるスキルが若干変わっていくかもしれない。今後の展開に期待しつつ、次回は割とカオスになっているアコ/メイジ向けサポートクラスを見ていこうと思う。

*1:《ウェポンクリエイト》《ツインフェンサー》等の対策と思われる。

*2:こういったバッドステータス付与系スキルはマイナーに統一されている。メジャーでバッドステータスを与えるのは魔術系。二重にバッドステータスを与えるような組み合わせができないように、という制作側の意図だろう。

*3:頑張って使い道を探しているんだが、どうにも思いつかない。いい案がある方はご報告ください。

*4:先制《ウォータースピア》等が戦術の要になるような組み方。「ルージュ」パーティなど。

*5:GM「このエネミーは《アディショナルブロウ》SL5だから、転倒回復しないとダメージが5D6増えるからねー」とか。

*6:……このように読んでいいんだろうか? 文面上は問題ないように感じる。

*7:命中判定の直前、と読めるが、……他にこういうスキルの例がなく、困る

*8:「サガ」シリーズのアルやカテナ等。純正ガンスリンガーってエイプリルとツヴァイだけじゃなかろうか。

*9:たとえばCLが5だと、《ボルテクス〜》が期待値で17.5、《エクシード〜》が25。CL10の段階になると期待値で15点の差。

*10:のちのち、残りのサポートクラスについても言及する予定。